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御祭神
Enshrined Deities
御祭神の根源
沖宮の御由緒は、那覇津に現れた霊木をお祀りしたことに始まります。
その霊木の根源が、奥武山天燈山御嶽であると伝えられています。天燈山御嶽に鎮まる御神を、日本神道では天照大御神、沖縄の御神名では天受久女龍宮王御神と称えます。
沖宮では、天燈山御嶽を奥の宮、社殿を表の祀りとして、御嶽と神社を表裏一体にお祀りしています。
御嶽は、神代と神世が鎮まる根源の神地。神社は、その御神徳を表にお祀りする祈りの場です。
沖宮の御祭神を理解するには、まずこの「御嶽を根とし、神社を表の祀りとする」道理を知ることが大切です。
天地開闢と三柱の御光
沖宮の御祭神体系では、天地の元の始め、すなわち天地開闢より、天より照らす御光を大切にします。
この御光は、いのちを照らし、守り、養う神の御働きです。
沖宮では、この陽の御光をあらわす中心の御神として、本殿中央に三柱の女天神代をお祀りしています。
御先女天神代。中女天神代。今女天神代。
この三柱はいずれも、天よりの御光をあらわす女天神代です。
その根源となる、最初にあらわれた御神を、天照大御神と称えます。沖縄の御神名では、天受久女龍宮王御神とお呼びします。
ここでいう陽とは、天より照らし、いのちを守り養う御光の働きをあらわす言葉です。
地上にあらわれる産み広げの働き
元の始めより、陽の気は天に昇り、御光としていのちを照らします。
その御光を受けて、天の御心は地上にあらわれ、いのちを産み、国を広げ、世を養う働きとなります。
これが、沖宮の教えにおける陰の働きです。
陰とは、暗さや悪を意味するものではありません。天よりの御光を受け、いのちに形を与え、地上へ産み広げるために欠かせない神の働きです。
神世一代・神世二代・神世三代の神々は、天の御心を地上にあらわし、森羅万象を生み育て、方位と時の巡りを整える御神です。
沖宮では、天より照らす陽の御光と、その御光を受けて地上にあらわれる産み広げの働きを、ともに大切にお祀りしています。
沖宮の御紋は、御日・御月・御鏡です。
御日
天より照らす陽の御光。
御月
その御光を受け、地上にいのちを産み広げる陰の働き。
御鏡
天地の御光を映し、人の心と使命を正しく照らすしるしです。
この御日・御月・御鏡は、沖宮の三大神義を象徴する神宝として大切にされています。
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本殿の御祭神
本殿中央の御座には、三柱の女天神代が鎮座されています。
女天神代とは、人が生まれるよりも前の神代において、天よりの御光を照らし、いのちを守り養う御神を称える言葉です。
三柱の女天神代は、沖宮の御祭神体系において、陽の御光をあらわす中心の御神です。
それぞれの御神は、根源の御光、知恵を授ける御光、福徳を授ける御光としてたたえられています。
御先女天神代 ─ 中央の御座
天受久女龍宮王御神
てんじゅくめりゅうぐうおうおんかみ
天受久女龍宮王御神は、天燈山御嶽に鎮まる御神であり、沖宮の御祭神体系の根源となる御光の御神です。
沖縄の御神名では天受久女龍宮王御神、日本神道では天照大御神と称えます。
沖宮では、那覇津に現れた霊木の根源を奥武山天燈山御嶽に拝み、この御神を、いのちを照らし、守り養う根源の御光としてお祀りしています。
旧暦三月二十三日の沖宮春の例大祭は、この御神名が顕れた大切な祭日です。
中女天神代 ─ 中央の御座
天智門女龍宮王御神
あまちじょうめりゅうぐうおうおんかみ
天智門女龍宮王御神は、中女天神代としてたたえられる御光の御神です。
久高島のクボウ御嶽に降臨され、玉城村親慶原に鎮まる御神として伝えられています。
東御廻いの信仰と深く関わり、世の人々に知恵と生きる力を授ける御神としてお祀りされています。
沖宮では、この御神を、道を照らし、知恵を授ける御光としてたたえます。
今女天神代 ─ 中央の御座
天受賀女龍宮王御神
てんじゅかめりゅうぐうおうおんかみ
天受賀女龍宮王御神は、今女天神代としてたたえられる御光の御神です。
伊江島タッチューのそばに降臨され、名護市部間の部間権現後方に鎮まる御神として伝えられています。
今帰仁上りの信仰と深く関わり、人々に福徳と政治・学問の力を授ける御神としてお祀りされています。
沖宮では、この御神を、北山・今帰仁の祈りの道を照らし、福徳と正しい力を授ける御光としてたたえます。
神世一代 ─ 相殿左の御座
神世一代とは、天の御心を地上にあらわし、いのちを産み広げる初めの父母神として称えられる神々です。
沖宮では、相殿左の御座に、父御神と母御神をお祀りしています。
この父母神は、天よりの御光を受けて地上にあらわれ、いのちが広がる始まりを司る御神として大切にされています。沖縄では、人々のいのちの根に龍宮の御恩が宿ると伝えられ、龍神の御神徳を受け継ぐ民として尊ばれてきました。
天龍大御神
てんりゅうおおおんかみ
天龍大御神は、父御神としてたたえられる御神です。
龍泉の神、水神の御恩の源としてお祀りされています。
天の御心を地上にあらわし、いのちを産み広げる父神として、沖宮の御祭神体系において大切な御神です。
天久臣乙女王御神
あめくしんおとめおおおんかみ
天久臣乙女王御神は、母御神としてたたえられる御神です。
天龍大御神とともに、地上にいのちを産み広げる父母神としてお祀りされています。
混比羅大明神とも称えられ、産み広げの母神として大切にされています。
天降り神 ─ 相殿右の御座
相殿右の御座には、天降り神として三柱の女神様をお祀りしています。
この三柱は、天よりの御光を受けて地上にあらわれ、国を産み広げ、世を養う母神として尊ばれています。
沖宮の御祭神体系では、この天降りの母神たちを、天の御心を地上へ広げ、いのちを形づくる御神として大切にしています。
天芳子乙女王御神
てんぼうしおとめおおおんかみ
天芳子乙女王御神は、天津神とも称えられる天降りの母神です。
天み東大主と結ばれる御神としてたたえられ、奥武山の池城山、世持神社の左丘に鎮まる御神として伝えられています。
沖宮では、この御神を、御光を受けて地上に国を広げる始まりの母神としてお祀りしています。
天仁子乙女王御神
てんじんしおとめおおおんかみ
天仁子乙女王御神は、天川神とも称えられる天降りの母神です。
奥武布袋大主と結ばれる御神としてたたえられ、伊計島に降臨し、玉城村奥武島に鎮まる御神として伝えられています。
東御廻いの信仰とも深く関わり、御光を受けて知恵と御神徳を地上へ広げる母神としてお祀りされています。
天来子乙女王御神
てんらいしおとめおおおんかみ
天来子乙女王御神は、天底神とも称えられる天降りの母神です。
天底毘沙門大主と結ばれる御神としてたたえられ、今帰仁の地に降臨し、今帰仁城跡に鎮まる御神として伝えられています。
今帰仁上りの信仰とも深く関わり、御光を受けて福徳と守りを地上へ広げる母神としてお祀りされています。
熊野三神 ─ 相殿右の御座
沖宮は、古くは沖山三所権現、また本州一品権現とも称され、熊野信仰とのご縁を伝えています。
相殿右の御座には、その由緒に基づき、熊野三神をお祀りしています。
熊野三神は、沖宮が神仏習合の時代より受け継いできた歴史的な御縁をあらわす神々です。
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伊弉冉尊
いざなみのみこと
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速玉男尊
はやたまをのみこと
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事解男尊
ことさかをのみこと
御天十二方について
十二支とは、単なる生まれ年の印ではありません。天の御心が地上に現れ、森羅万象を生み育て、化育していく順序を示す十二の方位であり、時と季節の巡りを開く十二の門です。
沖宮では、神世二代・神世三代の神々が、この十二の門を守る神世の御神として祀られています。
この神世に属する十二方の根源を、御天十二方と称えます。
沖宮では、この十二の門を通して、人の生まれ年、日々の巡り、方角の守り、そして祖先から受け継ぐ命と使命の道をお守りいただくものと伝えます。
末社「住吉神社」の御祭神 ─ 神世二代
沖宮の末社「住吉神社」には、神世二代の神々を御夫婦神としてお祀りしています。
神世二代とは、神世一代の父母神からいのちを受け継ぎ、地上にあらわれた三柱の男神と、その御夫婦神を称える言葉です。
神世二代の三柱は、天の御心を地上にあらわす、地上初めの子神としてたたえられています。
また、神世二代の三柱は、子・丑・寅の方角と結ばれます。
子・丑・寅は、北から北東、すなわち鬼門へと向かう方角であり、古くより、この世と幽世(かくりよ)をつなぐ境の方角として大切にされてきました。
この鬼門の方角を起点として、神世三代の神々へと御神徳が広がり、御天十二方が整えられていきます。
子の神 ─ 御夫婦神
天風龍大神
あまふうりゅうおおかみ
風の神としてたたえられる、地上初めの子神です。
表臣幸乙女王御神
うはしんこうおとめおおおんかみ
天風龍大神の御夫婦神。風の御神徳と結ばれ、いのちの広がりを支える母神です。
丑の神 ─ 御夫婦神
天火龍大神
あまひりゅうおおかみ
火の神としてたたえられる、神世一代の父母神からいのちを受け継いだ子神です。
中臣幸乙女王御神
なかしんこうおとめおおおんかみ
天火龍大神の御夫婦神。火の御神徳と結ばれ、いのちを温め育てる母神です。
寅の神 ─ 御夫婦神
天水龍大神
あますいりゅうおおかみ
水の神としてたたえられる、神世一代の父母神からいのちを受け継いだ子神です。
底臣幸乙女王御神
そこしんこうおとめおおおんかみ
天水龍大神の御夫婦神。水の御神徳と結ばれ、いのちを潤し養う母神です。
神世三代の御祭神
神世三代とは、神世二代の御夫婦神から生まれた神々を称える言葉です。
神世二代の子・丑・寅の三神に、神世三代の神々が加わることで、十二支と結ばれる十二方の守り、すなわち御天十二方が整います。
沖宮では、神世三代の神々を、末社「弁財天宮」および末社「八坂神社」にお祀りしています。
末社「弁財天宮」 ─ 辰の神
沖宮の境内にある弁財天宮には、木龍宇具志久乙姫王をお祀りしています。
この御神は、神々の世界と人の世界を祈りでつなぐ、ノロ神の始まりとして伝えられる女神です。
ノロとは、沖縄において祭祀を司る神女を指す言葉です。
木龍宇具志久乙姫王
もくりゅううぐしくおとひめおう
またの名を、弁天負百津姫神と称えます。辰の神、ノロ神の御名として伝えられています。
末社「八坂神社」 ─ 御夫婦神として奉斎
八坂神社では、神世三代の神々を御夫婦神としてお祀りしています。
神世三代の神々は、十二支の方角と結ばれ、四方八方を守る御神としてたたえられています。
卯の神
弁天負しろの大神
べんてんよしろのおおかみ
申の神
仁天屋船或久姫神
じんてんやぶねひくひめのかみ
午の神
弁天負泰彦大神
べんてんよやすひこのおおかみ
酉の神
仁天屋船久久姫神
じんてんやぶねくくひめのかみ
未の神
仁天屋しろの大神
じんてんやしろのおおかみ
亥の神
来天皇明久或姫神
らいてんすめあけくひひめのかみ
戌の神
来天皇久能知大神
らいてんすめくのちのおおかみ
巳の神
弁天負久知姫神
べんてんよくちひめのかみ
権現堂の御祭神 ─ 地敷十二方
権現堂は、ニライ・カナイと結ばれ、十二支に基づく守護星(御星)と使命の道をお守りくださる祖神を、御本尊としてお祀りする大切なお堂です。
沖宮では、神世に属する十二方の根源を、御天十二方と称えます。そして、その使命を地上で支える御世十二支を、地敷十二方と称えます。
御世とは、神々の御働きを地上で受け継ぎ、人々を導いた祖親たちの道です。
そのため、権現堂では、十二支を通して、御星、人の使命、命の道のつながりを拝みます。
御世十二支は、三つの干支が結び合う四つの組に分けてお祀りされています。
この四つの組は、陰陽道で三合と呼ばれる組み合わせに通じるものです。それぞれの御星が響き合い、人々の命と使命を支える道理をあらわします。
神社が神世の御神をお祀りする場であるのに対し、権現堂は御世の祖神を拝む場として大切にされています。
御先十二支
天祖子御世
子・辰・申
天帝子御世
丑・巳・酉
天尚子御世
寅・午・戌
天武子御世
卯・未・亥
中十二支
天孫子御世
子・辰・申
天帯子御世
丑・巳・酉
天在子御世
寅・午・戌
天正子御世
卯・未・亥
今十二支
天存子御世
子・辰・申
天展子御世
丑・巳・酉
天波子御世
寅・午・戌
天仁子御世
卯・未・亥
祖霊舎
祖霊舎は、先祖代々が尽くされた使命の御名をお祀りし、その功績を称え奉斎するところです。
大阿母司・長老司・伊辺司之先祖代々之霊位、有縁無縁三界萬霊之霊位をお祀りしています。
沖宮では、神世・御世・先祖をそれぞれの役割に応じて尊びます。
神世は、神社に。御世は、権現堂に。先祖は、祖霊舎に。
この順序を大切にすることで、神々の御恩、御世の祖神、先祖代々の功績を正しく拝むことができると伝えています。
御祭神を知り、祈りの道を歩む
沖宮の御祭神を知ることは、神様のお名前を覚えることだけではありません。
陽の光を受け、陰の働きによっていのちが形となり、御先・中・今の時代を通して、神々の祈りが地上へ受け継がれてきた流れを知ることです。
その祈りの根にふれることで、日々の暮らしの中で何を敬い、何を整え、どのように生きるかを見つめ直すことができます。
沖宮では、この祈りと礼の歩みを「沖縄道」としてお伝えしています。
